相続人に相続をさせない方法!?相続廃除の手続きについて解説。

相続廃除とは

相続廃除というのは、民法に定められた方法により、特定の推定相続人を遺産相続の対象から外してしまう手続きになります。

相続廃除の対象となるのは、遺留分を持つ推定相続人となります。すなわち、配偶者、子・孫(直系卑属)、親・祖父母(直系尊属)、です。

相続廃除は、次のような事由がある場合に、被相続人の意思により行われることとなります。

・推定相続人が被相続人に対して、虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき

・推定相続人に著しい非行があったとき

要は、家族としての共同関係や信頼関係が破壊されており、相続権(遺留分)がはく奪されてもやむを得ないのかどうかが基準となると考えられます。

相続廃除の請求手続き

相続廃除は、家庭裁判所に請求する手続きを取る必要があります。

廃除の請求は、被相続人が生前に行うこともできますし、遺言によって行うこともできます。

遺言で廃除の意思表示をした場合は、選任された遺言執行者が、家庭裁判所に廃除請求の手続きを取る必要があります。

なお、被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除を取り消すことができます。


注意しなければならないのは、相続の廃除は、単に被相続人の主観に基づいて意思表示をすればいいというものではないということです。

上記の虐待、侮辱、非行があったことを示す客観的な証拠を家庭裁判所に提出し、立証する必要があります。

ですので、被相続人が、一時的な感情に駆られて廃除を請求したような場合や、虐待や非行が行われた原因において被相続人にも責任があるような場合は、相続廃除が認められない傾向にあると言えます。


ですので、遺言で廃除をする場合は、遺言において遺言執行者を指定しておき、廃除の事由を証する資料を引き継いでおく必要があります。
もし、遺言で遺言執行者を指定していない場合は、家庭裁判所に申し立てて、遺言執行者を選任することになりますので、廃除の立証がより困難となるリスクがあります。

相続廃除の注意点

相続廃除は、侮辱や非行等があった推定相続人の相続権をはく奪するものですが、その推定相続人に子や孫がいる場合は、代襲相続が起こってしまいます。

つまり、被相続人Aの長男Bを排除したとしても、その長男に子Cがいる場合は、廃除された長男Bに代わって子CがAを相続します。


他に注意点を挙げるとすれば、相続廃除が認められるハードルが意外に高いということです。

統計上は、請求したもののうち2割程度しか廃除が認められていないようです。


以上、相続廃除について解説しました。

相続廃除の手続や遺言書の作成、遺言執行者の選任等は、豊中相続相談所(豊中司法書士ふじた事務所)にご相談ください。






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