物件ごとに持分が異なる名義の相続登記の一括申請の申請書例(雛形)
今回は、物件ごとに共有持分が異なる被相続人名義の相続登記の一括申請の申請書の記載例を紹介します。
想定事例
想定事例
被相続人甲野太郎は、豊中市に親戚との共有で、土地と建物を所有していました。
土地は、持分2分の1甲野太郎、持分2分の1乙野花子の共有です。建物は、持分5分の3甲野太郎、持分5分の2乙野花子の共有です。
被相続人甲野太郎(令和●年●月●日死亡)の相続人は、妻である甲野良子、長男である甲野一郎、次男である甲野二郎です。
司法書士藤田純平は、甲野良子及び甲野一郎から、法定相続分による相続登記を受任しました。条件としては、極力費用を安くしてほしいとのことでした。
相続登記の一括申請の要件
上記設定事例による相続登記を最も手数を少なくして完了させるには、土地と建物の相続登記を一括で申請することになります。
不動産登記の一括申請の要件は、不動産登記令にあります。
(申請情報の作成及び提供)
第4条 申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない。ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申
請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるときは、この限りでない。
つまり、登記申請の、①目的が同一、②原因及び日付が同一、③管轄が同一、④申請人が同一、であれば1つの申請により複数の物件の登記が可能ということになります。
今回のケースでは、上記①~④の条件は満たしているものの、申請人の持分が異なっていましたので、一括申請することに疑義がありました。
管轄の法務局に照会したところ、一括申請は可能とのことでした(事例想定)。以下に申請書例を記載します。
申請書例~物件ごとに持分が異なる被相続人名義の相続登記~
目 的 甲野太郎持分全部移転
原 因 令和●年●月●日相続
相 続 人 (被相続人 甲野太郎)
豊中市●●町●丁目●番●号
持分後記記載のとおり 甲野良子
豊中市●●町●丁目●番●号
持分後記記載のとおり 甲野一郎
豊中市●●町●丁目●番●号
持分後記記載のとおり 甲野二郎
添付書類 登記原因証明情報、住所証明情報、代理権限証明情報
(中略)
不動産の表示
所 在 豊中市●●町●丁目
地 番 ●番●
地 目 宅地
地 積 ●●.●●㎡
(甲野良子につき持分8分の2、甲野一郎につき持分8分の1、甲野二郎につき持分8分の1)
所 在 豊中市●●町●丁目 ●番地●
家屋番号 ●番●
種 類 居宅
構 造 ●●●●
床 面 積 ●●.●●㎡
(甲野良子につき持分20分の6、甲野一郎につき持分20分の3、甲野二郎につき持分20分の3)
なお、この申請書例は、あくまで一例ですので、実際に申請をする際は、管轄の法務局に照会して確認されることをお勧めします。
相続登記の申請手続きは、豊中相続相談所(豊中司法書士ふじた事務所)にご相談ください。